日本で複式簿記が導入されたのは、以外に新しく、明治時代
になってからのことです。
明治6年6月福澤諭吉がアメリカの簿記教科書『コモン・スクール・
ブックキーピング』という本を翻訳し日本初の簿記書である
『帳合の法』初編を出版しました。
この本はただの訳書ではなく、日本に新しい企業精神を芽生え
させたいとの福沢諭吉の思いが詰まっていたと言われています。
またこれに続き、10月には加藤斌(たけし)の『商家必用』、12月に
大蔵省の『銀行簿記精法』と、西洋式簿記書が相次いで刊行され、
洋式簿記の導入が始まりました。
日本の複式簿記の導入は、銀行や官庁を皮切りに、始まりましたが、
これは商人の自発的必要性から発生した西洋と違い、政府が民間
(特に財閥)に対して徴税を目的に決算内容の報告を義務付けた
ことから発展したと言われています。